更年期は「衰え」じゃない。身体が「強制アップデート」しているサイン

記:鍼灸師 石原綾 | 八幡山 七宝庵

40代後半から50代にかけて、「急に汗が出る」「理由もなく不安になる」「夜中に目が覚める」といった変化に戸惑う方は少なくありません。

今までの自分ならもっと動けたのに。もっと無理がきいたのに。

そうやって「できなくなったこと」ばかりを数えて、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。でも、安心してください。それは身体が壊れてしまったわけではないのです。

更年期という時期を、私は身体の「強制アップデート」だと考えています。

若い頃の「がむしゃらに動くための設定」から、これから先の人生を「より自分らしく、軽やかに楽しむための設定」へと、中身をガラッと入れ替えている最中なのです。

スマホやパソコンでも、大きなアップデートの最中は動きがカクカクしたり、一時的に熱を持ったり(バグ)しますよね。今のあなたの身体に起きている「のぼせ」や「イライラ」も、新しい自分に生まれ変わるための、一時的なセットアップの反応なのです。

アップデートの通知が来ている時に、無理やりアプリを立ち上げようとすると、フリーズしてしまいます。身体も同じです。

「更年期だから頑張って動かなきゃ」「昔のように戻らなきゃ」と抗う必要はありません。今は、身体が一生懸命、新しい設定をインストールしてくれている時間。

「今はアップデート中だから、ちょっと動きが鈍くても仕方ないよね」と、自分に許可を出してあげてください。無理に動かそうとせず、そのプロセスが終わるのをゆっくり待ってあげる勇気も大切です。

この「強制アップデート」が無事に終わる頃、身体は今までよりもずっと「省エネ」で、それでいて「満たされた」状態へと変わっていきます。

鍼灸(しんきゅう)のお手伝いは、このアップデート中の「バグ(不快な症状)」を少しだけ和らげ、インストールをスムーズに進めるためのサポートです。

一人で不調という画面を見つめて不安にならず、一緒にこの変化の時期を乗り越えていきましょう。アップデートが終わった先には、もっと自由なあなたが待っています。